はじめに:なぜOEM企画室が、研修先に「喫茶店」を選んだのか?
一杯のコーヒーに、人はいくら払うでしょうか。100円か、500円か、あるいは1,000円か。その答えは、コーヒーそのものの味だけでは決まりません。
私たちOEM企画室は、モノの価値が「機能」から「体験」へとシフトする現代において、心を動かすブランド体験の本質を探るべく、東京・八王子に佇むカフェ「パペルブルグ」を訪れました。ここは、ただコーヒーを飲む場所ではありません。扉を開けた瞬間から、訪れた人を中世ヨーロッパの物語の世界へと誘う、一つの完成された「空間」です。
この研修レポートでは、飲食店経営の成功事例であるパペルブルグから、私たちOEMメーカーが学ぶべき「唯一無二の世界観の作り方」と、それをオリジナルグッズに昇華させるためのヒントを解き明かします。
ヒント1:空間は最強のメディア。細部に宿る物語がブランドを語る
店内は、重厚な木材の梁、レンガの壁、そして壁一面に描かれた中世の騎士の絵画。まるで何百年もの時を刻んできた古城のような空間が広がります。

しかし、この店の真髄は、その圧倒的な空間を構成する「細部」へのこだわりにあります。窓辺には、物語から飛び出してきたかのような魔女の人形。机の上には、「不思議の国のアリス」に登場する白うさぎのオブジェが、今にも駆け出しそうに時を刻んでいます。


これらは単なる装飾ではありません。一つひとつがこの店の「物語」を語る重要な登場人物であり、訪れた客に「ここは特別な場所だ」と感じさせるための緻密な演出です。
これは、オリジナルグッズ製作においても全く同じことが言えます。ブランドのロゴをただ印刷するのではなく、そのブランドが持つ物語や世界観を象徴するモチーフをデザインに落とし込む。細部へのこだわりこそが、ありふれたグッズを、ファンが愛してやまない特別な一品へと変えるのです。
ヒント2:顧客体験のクライマックスを演出する「道具」の力
この店では、注文したコーヒーが運ばれてくる瞬間もまた、一つのクライマックスです。カウンターの奥には、壮観な数のアンティークカップが並び、サイフォンで抽出された一杯が提供されます。


美しい絵付けが施されたカップと、重厚な銀のスプーン。これらは、コーヒーを「飲む」という行為を、一杯の物語を「味わう」という特別な体験へと昇華させる、極めて重要な「道具」です。
飲食店経営において、食器が顧客満足度を大きく左右するように、企業のノベルティグッズもまた、ブランド体験を決定づける重要な「道具」となり得ます。そのグッズを手にした時、使った時に、お客様にどんな気持ちになってほしいか。その体験をデザインする視点を持つことが、記憶に残るグッズ企画の鍵となります。
ヒント3:付加価値は「体験」から生まれる。価格競争からの脱却
パペルブルグのコーヒーは、決して安くはありません。しかし、店内は常に多くの客で賑わっています。彼らが求めているのは、コーヒーという「モノ」だけではなく、「パペルブルグという非日常空間で過ごす時間」という「体験」だからです。
この「体験価値」の提供こそが、飲食店が価格競争から脱却し、熱心なリピーターを獲得するための本質です。
私たちOEMメーカーの使命も、単に安くモノを作ることではありません。お客様のブランドが持つ独自の価値を形にし、その先の顧客に素晴らしい「体験」を届けるお手伝いをすることです。ロゴ入りのペン一本でも、その書き心地やデザインが企業の哲学を体現していれば、それはただのペンではなく、ブランドの物語を伝えるメディアになるのです。
まとめ:モノ作りは「体験」作り。あなたのブランドの物語を形に
今回の研修で得た最大の学び。それは、優れたブランドは「モノ」ではなく「体験」を売っているという事実です。そして、その体験は、細部にまでこだわり抜かれた世界観によって創造されます。
私たちOEM企画室は、お客様のブランドが持つ独自の物語や世界観を深く理解し、それを tangible(触れることができる)な形、つまりオリジナルグッズとして具現化するプロフェッショナルです。
「自社のブランド価値を高める、特別なグッズを作りたい」
そうお考えなら、ぜひ私たちにご相談ください。あなたの物語を、共に形にしましょう。