- 「最悪売れ残っても安くすれば売れるだろう」はOEM最大の死亡フラグ。
- 無名のオリジナル商品は、原価割れの価格に設定しても全く売れない。
- 品質(素材や縫製)が最高レベルでも、マーケティング戦略がなければ誰にも届かない。
- OEMを成功させるには「作る前」のファン作りと販売導線づくりがすべて。
- 私の屍を越えてゆけ!オリジナルぬいぐるみの在庫処分(大赤字)にご協力お願いします。
「自社のオリジナルキャラクターを作って、OEMでグッズ化したい!」「新しいブランドを立ち上げてバズらせたい!」
広報やマーケティングをご担当されている方なら、一度はこんな野望を抱いたことがあるのではないでしょうか。私たちOEM企画室は、そんな夢を形にするため日々多くのお客様に伴走しています。しかし、今回はあえて「OEMの恐ろしさ」について、プロのディレクターである私自身の「大失敗体験談」を赤裸々に語りたいと思います。
実は私、個人的に物販に挑戦し、オリジナルキャラクターのぬいぐるみOEMで大量の在庫と大赤字を抱えてしまいました。「良いものを作れば売れる」という甘い幻想がどのように打ち砕かれたのか。これからOEMに挑戦する方の反面教師として、ぜひ最後まで笑って読んでやってください。
オリジナル商品(OEM)で失敗する「甘い見通し」
OEMのプロとして数々の案件を成功に導いてきた私は、「自分でもオリジナルキャラクターのぬいぐるみを作って売れば、絶対にバズるはずだ」と完全に調子に乗っていました。
在庫リスクって怖くないですか?もし売れ残ったらどうするんですか?
当時の私は「最悪売れ残っても、安くすればトントンで損切りできるだろう」と高を括っていたんです。これが地獄の始まりでした。
オリジナル商品を企画する際、利益率を高く設定し、最悪の場合はセールをして原価回収だけすればいい、と考える人は非常に多いです。特に可愛いぬいぐるみや雑貨であれば、「安ければ誰か買うだろう」という確証バイアスにかかっていました。
・高品質で可愛いぬいぐるみを作れば、SNSの口コミで自然に広がるはず。
・万が一売れなくても、原価スレスレのセール価格にすれば在庫はさばける。
・広告費や事前のファン作りをしないと誰の目にも留まらない。
・無名のキャラクターは、原価割れの価格で投げ売りしても全く売れない。
失敗しないための基礎知識については、
の記事でも解説していますが、私自身がビジネス本の1ページ目に書いてあるような初歩的なミスを犯してしまったのです。【リアル体験談】無名のオリジナル商品は安くても売れない
意気揚々と発注したぬいぐるみですが、昨今の原材料費や輸送費高騰のあおりを受け、想定よりも原価が大幅に上がってしまいました。
それでも「手触りも最高だし、絶対に定価で売れる」と信じて販売を開始。しかし、結果は惨敗。世の中にはすでに知名度のある大手のキャラクターグッズや、インフルエンサーが莫大な広告費をかけて宣伝している商品がひしめき合っています。無名の私のキャラクターぬいぐるみは、検索結果の奥深くに沈み、誰の目にも触れませんでした。
焦った私は、「利益ゼロでいいから原価で売ろう」と価格を下げました。それでも売れません。最終手段として、「原価を大幅に下回る大赤字価格」に設定しました。しかし……それでも売れないのです。
消費者は「安すぎる無名の商品」に対して、「何か裏があるのでは?」「品質が悪いのでは?」と警戒します。安くすれば売れるというのは、すでにブランドの信頼がある企業にしか通用しない戦略だったのです。
参考:独自ブランドを成功させるためのチェックリストは
をご覧ください。品質は最高レベル!有名工場と同じ仕様でも失敗した理由
私が一番悔しいのは、商品のクオリティ(中身)自体は最高レベルだということです。
実はこのぬいぐるみ、有名大手ブランドも製造している国内トップクラスの基準を持つ海外提携工場で作ってもらいました。生地は「最高級のもっちりボア素材」。何度も試作を重ね、抱きしめた時の反発力や、縫い目の美しさには一切の妥協がありません。(あまりに手触りが良くて、触ればどこの工場の生地かバレそうなくらいです)。
しかし、いくら中身が良くても、「それを伝える力(マーケティング)」がなければ、消費者はパッケージすら見てくれません。私はOEMの製造(作るプロセス)のプロではありましたが、DtoCのマーケティング(売るプロセス)を見くびっていました。
OEM成功の鍵は「作る前」のマーケティング
物販に挑戦して3年、私は高い授業料を払って「マーケティングの重要性」を痛感しました。OEMでオリジナルグッズを作る場合、エコバッグであれ、ぬいぐるみであれ、ビジネスモデルは同じです。
「誰に」「どうやって」届けるかを最初に決める
商品を作る前に、SNSでの発信計画や、見込み客(フォロワー)の獲得、あるいは展示会での配布シナリオなど、販売導線を完全に設計しておく必要があります。例えば、自社キャラクターのグッズを作るなら、SNSでキャラクターのファンを育ててから、彼らが喜ぶアイテム(例:
)を小ロットで投下するのが正解です。最初から大量の在庫を抱えるのではなく、
の記事にあるように、小ロットでテストマーケティングを繰り返すことが、リスクを最小限に抑える唯一の道です。よくある質問(Q&A)
私もそう思っていましたが、最初の『ゼロをイチにする(最初の数人に買ってもらう)』ための導線がなければ、口コミすら発生しません。まずは知ってもらうための広告やSNSでのファン作りが必須です。
最初から大ロットで作らず、割高になっても小ロットでテスト販売をすること。そして、そもそも販売用ではなく『ノベルティ(無料配布)』として自社のファン作りに活用するという出口戦略をあらかじめ決めておくことが重要です。
はい、お恥ずかしい限りですが大失敗しました(笑)。しかし、この生々しい大赤字の経験があるからこそ、お客様からのご相談に対して『それは売れないからやめた方がいい』と、本気でリスクを指摘する血の通ったアドバイスができると自負しています。
私の失敗を繰り返さないために!
「自社キャラクターをぬいぐるみにしてSNSでバズらせたい!」
「でも、うちの会社でいきなりグッズを作って、本当に反響があるだろうか?」
新しい企画を任されたご担当者様は、期待と同時に「失敗したらどうしよう」という不安を抱えているはずです。私の悲惨なエピソードを読んで、少しでもOEMのリスクに気づき、事前の計画の重要性を感じていただけたなら、私の大赤字も少しは報われます。
完璧な企画書がなくても構いません。むしろ、「こんなグッズを作りたいんだけど、在庫リスクが怖くて…」というモヤモヤした段階で、ぜひプロの私たちに「壁打ち」をさせてください。私の屍を越えて、あなたのプロジェクトを成功に導くための最適な仕様とロット数をご提案します!









